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預言者と巡礼者·2/2·3
Photograph of Stonehenge

The place

Stonehenge

太陽を追った巨石

天文学、祭司、そして五千年の巡礼

新石器時代の起源(紀元前3000年頃)から現代の復興(18世紀〜現在)Stonehenge

トーンヘンジは、でたらめに石を並べた場所ではない。中心軸が夏至の日の出と冬至の日没にぴたりと揃えてある。毎年六月二十一日前後、石の輪のど真ん中に立つと、「ヒールストーン」と呼ばれる巨石のちょうど真上から太陽が昇り、最初の光が遺跡の中心をまっすぐ射抜く。偶然じゃない。五千年前、誰かが狙ってこう造った。

一七二〇年代、ウィリアム・ステュークリーというイギリスの医師が、ストーンヘンジの見方をひっくり返した。彼がこの遺跡を初めてきちんと測量し、図面に落とした人物だ。夏至の整列に気づいた瞬間、ひとつの確信に取り憑かれた——これはドルイドの仕業にちがいない。ドルイドとは、古代ローマの将軍カエサルが書き残したケルトの祭司集団のこと。ブリテン島の人々の精神世界を握っていたとされる存在だ。ステュークリーはのめり込みすぎて、ついには自分のことを「ドルイドの王子」と名乗りはじめた。

ところが、彼は間違っていた。ドルイドの時代は、ストーンヘンジの建造より何千年も後の話だ。でも一度走り出した物語は止まらない。十九世紀には白い衣をまとった「ドルイド」たちが夜明けのストーンヘンジで儀式を行うようになった。二十世紀半ばには夏至の巡礼が大きなうねりに育ち、異教の信者やスピリチュアルを求める人たち、それからただ「何か古くて確かなもの」に触れたいだけの人たちが集まりはじめた。

やがて事態は荒れた。一九八〇年代初頭、「ストーンヘンジ・フリー・フェスティバル」に毎年数万人が押し寄せた。音楽、キャンプ、既成の枠に収まらない生き方の祭典だ。当局は遺跡への被害を恐れ、開催を禁止。一九八五年六月一日、現地へ向かう約六百人の旅行者を警察が途中で封鎖した。そこから先は惨劇だった。車の窓が叩き割られ、家族連れがバスから引きずり出され、五百三十七人が一斉逮捕された——第二次世界大戦以降、イングランド最大の大量検挙だ。この日は後に「ビーンフィールドの戦い」と呼ばれるようになる。

長い交渉のすえ、二〇〇〇年に折り合いがついた。夏至と冬至の日に限り、石の輪が無料で開放されることになったのだ。毎年真夏の夜、二万人から三万七千人が暗闇の中に集まる。白衣のドルイド、スマホを構える観光客、小さな子の手を引く親。みんなで静かに朝を待つ。太陽がヒールストーンの向こうから顔を出し、光が石の輪を満たした瞬間——何万もの歓声が一気にはじける。五千年前、この場所で誰かが見た朝日と、同じものだ。

この整列は科学者たちの心にも火をつけた。一九六五年、天文学者ジェラルド・ホーキンズが『ストーンヘンジ解読』を出版し、この遺跡は日食や月食を予測する古代のコンピューターだったと主張した。主張の一部は後に退けられたが、核心は揺るがなかった——ストーンヘンジは驚くべき精度で太陽と月の軌道を追っている。しかも地形そのものが味方していた。遺跡の地下にある白亜の地層には自然にできた隆起があり、その方角がちょうど夏至の日の出を指していたのだ。まるで大地が、人間よりずっと先に目印をつけていたかのように。

「石の上にも三年」という言葉がある。辛抱すれば報われる、という意味だ。だがストーンヘンジの石の上で人が待ち続けたのは、三年ではなく五千年。そして報われたのは忍耐ではなく、夏至の朝にヒールストーンの向こうから届く、たった一筋の光だった。ドルイドがこの場所を建てたのではない——それは歴史的に決着がついている。だがステュークリーが正しかったことがひとつある。ここは、人が空を見上げることをやめなかった場所だ。五千年後のいま、私たちはまだ同じ石の輪の中に立ち、同じ太陽を待っている。

物語の教訓

石と星の整列が伝えるのは、天文学の話ではなく、人の話だ——宇宙に秩序を見つけたい、時の流れに印を刻みたい、光と闇の境目にみんなで立っていたい。その衝動は五千年前から何ひとつ変わっていない。

登場人物

ウィリアム・ステュークリー
ジェラルド・ホーキンズ
古代ドルイド教団
1
1980年代のニューエイジ・トラベラーたち
現代の夏至巡礼者

出典

William Stukeley, "Stonehenge: A Temple Restor'd to the British Druids" (1740); Gerald Hawkins, "Stonehenge Decoded" (1965); Andy Worthington, "Stonehenge: Celebration and Subversion" (2004); Christopher Chippindale, "Stonehenge Complete" (4th ed., 2012)