イラン南部の荒野に、ペルセポリスという廃墟がある。二千五百年前、ペルシア帝国の儀式の都だった場所だ。その一角に石段がある。この石段の浮き彫りが、「権力」というものの意味を根本から書き換えた。刻まれているのは二十三の民族。当時の世界最大の帝国のあらゆる場所から集まった人々が、王に向かって歩いている。それぞれが自分の民族衣装を着て、故郷の産物を手にしている。ひざまずいている者は一人もいない。鎖でつながれた者も一人もいない。二千五百年前の世界で、それはあり得ない光景だった。
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過去の謎·4/5·1′

The place
Persepolis
ひざまずかなかった二十三の民
史上最大の帝国が石に刻んだ理想——二十三の民族が尊厳を保ったまま、王の前へ歩む
紀元前515〜465年(建設)、1931〜1939年(発掘)Persepolis
物語の教訓
“真の力とは、人をひざまずかせることではなく、立ったまま自分の前に歩ませることだ——ペルセポリスの石段は二千五百年かけて語り続けている。帝国の偉大さとは、どれだけ均一性を強いたかではなく、どれだけの多様性を包み込んだかで決まる、と。”
登場人物
ダ
ダレイオス一世(大王)ク
クセルクセス一世(アパダーナを完成)二
二十三の属国民族ギ
ギリシア人・エジプト人の職人たちエ
エルンスト・ヘルツフェルト(発掘者)出典
Schmidt, Erich F., Persepolis I: Structures, Reliefs, Inscriptions (1953); Root, Margaret Cool, The King and Kingship in Achaemenid Art (1979); Briant, Pierre, From Cyrus to Alexander (2002); Garrison, Mark and Root, Margaret Cool, Seals on the Persepolis Fortification Tablets (2001–); Kuhrt, Amélie, The Persian Empire: A Corpus of Sources (2007)